2019年10月26日土曜日

郵便ポストを磨く(1)

 会社の私設ポストを交換することになり、古くなったポストが不要になりました。郵便局にどうするのか聞いた所、「捨てるだけ」なので無償で差し上げますとのこと。せっかくなので、もらってピカピカにすることにしました。

 最初はペンキの塗り直しでなんとかなると思っていたのですが、作業を進めていくうちに欲が出て、取り外すことのできる部品はすべて取り外して綺麗にすることにしました。

 取り外したステンレス製の金属部品です。まだ傷が残っていますが、深い傷を取り除くと部品が「痩せて」しまうので、細かい傷だけ取り除き、ある程度の下地を作ってから磨くことにました。磨きは、東洋研磨工業の鏡面ショットマシンSMAPで行いました。

郵便マーク
神々しいまでに美しい郵便記号 ポツポツ見える傷が1920年代のPATEK PHILIPPEのSSモデルを彷彿させます
郵便マーク
郵便記号を縁取りだけ光らせて見ました ネガポジみたいです

ヌメッとした質感を撮ってみました 磨かれた金属は美しいですね 
これまたネガポジ 雰囲気が変わると言えば変わりますが、同じといえば同じに見えます
もちろん裏面もネジに至るまで磨いています
POST 「P」をどう光らせるか、このカットは迷いました
取手 バフでは磨けない形状も「鏡面ショットマシンSMAP」なら、こんなに綺麗に磨けます

もちろん取手の裏側も磨きます このマシンはヘアラインをきれいに残して磨けます
鍵穴 鍵は郵便局が回収したので鍵穴だけが残っています
鍵穴の裏側 もらい錆びが付いていましたが、こんなに綺麗になりました



POSTのアナグラム 誰か止めて~ 
今までの写真もそうですが、Photoshop、Illustrator等での修正は一切していません。全て光の当て方とカメラの露出補正だけでコントロールしています。

 以前、時計の写真を撮ったときにも思いましたが、金属の写真は本当に難しいです。これだけのカットを撮るのに丸一日かかりました。光をどう当てるのか、部品をどう見せたら良いのか本当に迷います。こうしていくつか選んだのですが、それが正解かどうかはわからないです。
 
 ただ、こうして判断を下すことで、自分の価値観と否応なしに向き合うことになり、それが結果として、自身の審美眼を養うことにつながっていると思います。