2015年6月20日土曜日

KONO式(コーノ式)ミル F101を研究する(4)

  F101の「通常タイプ」を入手しました。F303の刃に近い形状を持つタイプです。

 管理人のF101と比較しましたが、刃以外の、ケース、ハンドル、粗さ調節機構などはすべて一緒です。試しに相互の部品を交換して組み立ててみましたが、普通に組み上がります(現代日本の工業製品なのですから、当然なのですが)。
右が通常タイプのもの 

 外刃は一見、同じもののように見えますが、通常タイプの方が、若干内径が小さいです。これで、管理人の所有するF101は、内刃だけ、別のミルと入れ替えたのではなく、製品として存在したことがわかりました。
通常タイプの内刃を入れると径が合わないことが分かる

 今まで全てミルについて、使用感の違いを以下の6点になると思うと書いてきました。F101(通常版)はどうなのか、同じ項目について個別に見ていきます。ただ、管理人のもっている「謎のF101」と本体形状は同じなので、項目3・4・5・6については省略します。
  1. 挽き心地が軽いか否か
  2. ホッパーに豆が残るか否か
  3. ホッパーの縁に挽いた粉が飛び散るか(汚れが激しいか)(省略)
  4. 粒の大きさの調節機構が使いやすいか否か(省略)
  5. 分解がしやすいか(省略)
  6. 豆の入れやすさ(省略)
  • 挽き心地が軽いか否か
 驚くほど滑らかです。軽さについては、エッジの立っていない刃、螺旋のない外刃の形状からある程度予想していましたが、挽いた感触が滑らかなのには驚きました。なんというか、「ザラツキ」が少ないのです。最近、HARIOのセラミックスリム・HARIOセラミックスケルトンばかり使っていたので、そのためかと思いましたが、他のミルと比較してもそう思います。豆を挽き込む際、ほとんどの機種では重く引っかかることがあるのですが、これがありません。何度も試しましたが、一度も強く噛みこむことがありませんでした。しかも、挽くのにそれほど時間がかかるわけでもないのです。
  • ホッパーに豆が残るか否か
 管理人の所有する謎のF101と同様です。基本的に外刃の形状は似ているので、ホッパーと外刃の間に段差があり、そこに豆が残ります。本体を振るなどして、刃の中に落とすことが必要です。残念ながら、挽いている時の振動だけで落ちるようなことはないです。

 破片が飛び散る量ですが、予想通り、それほどでもありません。もちろん飛び出ますが、絶対量が少ないです。今まで見てきたKONO式(コーノ式)ミルに共通の特徴である、
  • 内刃の上部が小 さく、上の部分で砕くこと自体を少なくすること
  • 外刃の鋭さをなくして、豆を滑らせること
で、破片を飛び散りにくくしていると言えるでしょう。
  • 結論・評価
  この通常型のF101の最大の美点は外刃と内刃にあると言って良いでしょう。強く噛み込みすぎることによる引っかかりのない滑らかな挽き心地は、なんとも言えないものがあります。また、角のない受け皿は大変使いやすいです。
 しかし、ディアボロ型ミルのメンテナンスの容易性を知った今、箱形のミルには高い評価を下すことができません。特にこのモデルは材質上、静電気が凄いです。本体の裏側にびっしり付き、受け皿を引き出すと粉がボロボロ出てきて周囲を汚します。HARIOのセラミックスケルトン、セラミックスリムに慣れてしまった今となっては、かなり気になります。そうした意味では、今まで他のミルに下してきた評価も見直す必要があるのかもしれません。刃がすばらしいだけに残念です。