2014年8月30日土曜日

コーヒーミルを作ることにしました(2)

 今まで、軽い挽き心地の刃にこだわってきました。しかし、いろいろなブログを読む限り、鋭い刃が求められているのも事実です。

 これまで書いてきた通り、手動式では挽き心地が重いと疲れて嫌になってしまい、結果的に使われなくなるという考えに変化はありません。しかし、電動式のミルでは「軽い挽き心地」を無視し、鋭い刃に特化することが可能です。

 そこで、ナイスカットミルの替刃を作ることにしました(ナイスカットミルの研究は別の時に書きます)。刃の形状はフジローヤルの「みるっこ」に似せることにします。これは業務用のミルで大型になればなるほど、そうした形状の刃を持っているため、この形状に意味があると考えたからです。

回転側形状 サイズはナイスカットミルに完全互換で設計しました

固定側形状 素材はSK材 HRC60以上の硬度の予定です
  いろいろな工場に声をかけていますが、コスト的に厳しいですね・・・。なにしろ標準品は2枚セットで5400円で存在するのです。素人がどんなに頑張っても、5400円では1枚もできないです。利益が出る出ないの問題ではなく、作ることすらできません。設計を始めてから、これらの製品群がいかに安い値段でできているのか、そしてコーヒーミルに限らず、あらゆる製品がなぜ中国で作られているのかがわかりました。

 しかし、私は日本製にこだわりたいと思います。品質の高さもさることながら、素人の私にアドバイスを下さった職人の皆さまに少しでも恩返しがしたい、日本でのモノづくりをしている方々に少しでも貢献したいためです。

 試作品だけでも出来上がったら、ナイスカットミルの研究に合わせ報告する予定です。

2014年8月23日土曜日

コーヒーミルを作ることにしました(1)

 ザッセンハウスのコーヒーミルを改造して以来、自分で使いやすいコーヒーミルを作ろうと試行錯誤してきました。特に、前回のHARIOセラミックコーヒーミル・スケルトン・MCSC-2TBの研究では、理想形状がおぼろげながら見えてきたにも関わらず、コスト的に断念せざるをえませんでした。

 新しく作ることは断念し、HARIOセラミックコーヒーミル・スケルトン・MCSC-2TBに取り付けられる軽い挽き心地の刃を設計することにします。


 ザッセンハウス・プジョー型の刃だから挽き心地が重くなり、本体形状の見直しが検討課題になるのなら、逆に旧型のように軽い挽き心地の刃を搭載すれば問題ないのではないかというものです。前回の結論では、趣味性の満足度は低いと書きましたが、なんといっても機能的に優れたHARIOの形状には抗しがたい魅力があります。


 現実的な対処方法として、セラミックコーヒーミル・スケルトン・MCSC-2TBに互換性のある軽い挽き心地の刃を作成してみたいと思います。


軽い挽き心地を実現する刃の条件
  1. 内刃・外刃ともに、上部は螺旋を弱くし、過度に豆を噛みこまないこと
  2. 豆を砕く部分は、 面で砕くのではなく、点・線で砕く形状にすること

内刃:動作が軽く、評判の良い、F303の刃をベースにします。
外刃:F101の直線形状をベースに考えることにします。

 同じものをコピーしようと思っても、なかなかできないのが機械部品です。そっくり同じ寸法通り作っても、材質・加工方法・仕上げが少しでも違えば、間違いなく違ったものになります。


 F303とまったく同じものを作ろうにも、そもそも、材質が特定できません。硬度もわからずじまいです。加工方法も内刃は板を金型で打ち抜いたものを重ねていますが、これも小ロットの場合、レーザー加工かワイヤー加工になるでしょう。そうなれば、鋭いエッジの立った形状になります。レーザー加工、ワイヤー加工の部品は見た目も素晴らしく、間違いなく「高品質」になるのですが、エッジが立っていることで、豆を噛み込む量が多くなり、明らかに挽き心地は異なることが予想されます。
 また、F303の外刃の形状は、加工が非常に困難です。加工を依頼した多くの職人が、再現は極めて困難だと口をそろえます。


 到底同じものができそうにない状況にある今、F303の外刃を積極的に採用する動機は薄くなってきました。すでに、直線にすることで、引き込む力を弱くできることもわかっています。


 内刃はF303ベース、外刃はF101の思想を元に設計しました。

F303に似せた形状


F101と同じく螺旋をなくしてみました

シャフトはF303同様、上下両支え
いくつかの工場に相談していますが、現実的な価格になる加工方法は何か、試行錯誤が続いています。

2014年8月17日日曜日

HARIO セラミックコーヒーミル・スケルトン・MSCS-2TBを研究する(2)

 前回は、形状の違いを写真で見てきました。今回は、形状と使い勝手の関係を明らかにしていきたいと思います。

 肝心の使い心地ですが、両者を比較したところ、形状はほとんど同じと言って良いにも関わらず、挽き心地はまったく異なることがわかりました。旧型はF303をさらに軽くした感じ、新型はザッセンハウスに良く似た感じと、ほぼ両極端でした。


比較のため、F201と同じ項目で追っていきます。使いやすいコーヒーミルの形状とはどんなものか(1)では、
  • 絶対値として、動作が軽いこと
  • 底面が固定されること
  • 押さえる手に無理な力がかからないこと
  • 本体を押さえながら、ハンドルを廻した時に、押さえた手と干渉しないこと
を満たす形状として
  • 廻した時に左手に当たらない高さに、ハンドルが配置されている
  • 左手で押さえる際、親指と人差し指を開いて握るような形状は押さえやすい
  • 角のない受け皿
  • 分解しやすく、場合によっては洗える本体
を考案しました。MSCS-2TBは上記の条件を満たしているのか、検証することにします。


廻した時に左手に当たらない高さに、ハンドルが配置されている

 MSCS-2TBは、ちゃんと適切な高さにハンドルがあります。いろいろな姿勢で挽いてみましたが、どんな時でも干渉することはありません。

左手で押さえる際、親指と人差し指を開いて握るような形状は押さえやすい

 手の大きさにもよるのでしょうが、私には大きいです。ホッパーとガラスの受け皿をねじ止めしている部分の径が大きく、手首が若干曲がります。もう少し細ければ使いやすいのにと思います。


角のない受け皿

  「角のない受け皿」の条件を満たすのはもちろん、ガラス素材の長所をいかんなく発揮しています。ネジのピッチも大きく、ネジ山に粉が入り込んで取れなくなることもありません。容量も2人分(30g)以上挽いても半分以上余りますし、そもそも中身が見えるので、挽きすぎることもありません。材質も強化ガラスを使用しており、強度的にも問題ありません。粉の滑りもとても良いです。

分解しやすく、場合によっては洗える本体

  構造的・材質的に理想的な形状と言って良いでしょう。ハンドルを除くと4箇所のネジを外せばすべて分解ができます。特に新型はハンドル・シャフト・ネジなどすべての金属部品にステンレスを使用しており、水洗いができます。洗いやすく、乾かしやすく(ふき取りやすく)、扱いも簡単です。

ハンドルの動作半径

 動作半径は旧型85mm、新型112mmです。それでも旧型のほうが圧倒的に軽いです。


刃の形状・鋭さ・材質・硬度

  旧型は金属製、新型は刃はモデル名にセラミックとあるようにセラミックで作られています。新型は、よりザッセンハウス・プジョーに近い形状になっています。この形状の変化の根底には「鋭い形状の刃が良い刃」という考え方があると思います。加工精度的には間違いなく進歩していますが、それが軽い挽き心地にはつながっていません。今までの研究結果から、鋭さを増すことが良いことなのか、当ブログ的には疑問です。

 旧型の材質は不明ですが、銅系の金属にめっきをかけたような跡があります。
めっきの下から銅のような金属が・・・。硬度的に大丈夫なのでしょうか?

 硬度は新旧ともに不明です。根拠はありませんが、旧型は柔らかい気がします。これは銅系のような気がするためです。


 今まで全てミルについて、使用感の違いを以下の6点になると思うと書いてきました。HARIOのセラミックコーヒーミル・スケルトン・MSCS-2TBではどうなのか、同じ項目について個別に見ていきます。
  1. 挽き心地が軽いか否か
  2. ホッパーに豆が残るか否か
  3. ホッパーの縁に挽いた粉が飛び散るか(汚れが激しいか)
  4. 粒の大きさの調節機構が使いやすいか否か
  5. 分解がしやすいか
  6. 豆の入れやすさ
  • 挽き心地が軽いか否か
旧型は驚くほど軽いです。F303以上です。しかし、挽くのに非常に時間がかかります。なかなか豆がなくならないです。
刃よりも豆が大きく、なかなか挽き込まない
  新型の動作は、軽くありません。と言うか重いです。新形の動作ですが、台に置いて挽くと重いですが、台や机の上に置かず、手に持って挽けば、それほど苦になりません。鋭い刃を持つこと、強い螺旋、多孔質セラミックの食いつきの良さで、豆をひきこむ力が大きいためだと思われます。また本体形状も、ホッパーとガラスの受け皿をねじ止めしている部分の径が大きいので、[台に置いて挽くと(2014/12/31追記)]、とても疲れます。最新モデルには、ガラスの受け皿にはまるシリコンの「マット」がついていますが、これがないととても挽けません。旧型は動作が非常に軽く、マットの必要性を感じません。省略していたのではなく、不要です。 (2014/12/31 HARIO セラミックコーヒーミル・スケルトン・MSCS-2TBを研究する(3)の追加と合わせ、訂正しました)
  • ホッパーに豆が残るか否か
外観からもわかる通り、かなり傾斜があり、豆が残るようなことはありません。シャフトを支える支柱も、樹脂加工ならではの自由形状で、豆が引っ掛かりにくくなっています。新旧で形状が異なっており、新型のほうが細くなっています。構造分析と加工技術の進歩がみられます。
 新旧ともに内側もきれいにラップ加工(鏡面加工)されており、滑りについては、かなり気をつかっていると言って良いでしょう。(2015/6/27訂正)

 旧型は本体と刃の間に継ぎ目があり、どうしても細かい破片が残ります。新型はまったくそのようなことはなく、どこまでも配慮が行き届いています。


  • ホッパーの縁に挽いた粉が飛び散るか(汚れが激しいか)
特にディアボロ形状のミルでは仕方がないのですが、本体上部に残った粉をしっかり落とさないと、受け皿を外したとたん、周囲に残った粉がこぼれ落ちます。 F201では本体上部のスカート部が大きく深く、すぐに横にすれば、粉が外にこぼれ落ちることはなかったのですが、残念ながら、MSCS-2TBではスカート部がないため、本体上部に残った粉がこぼれ落ちます。 しかし、新型のセラミックは静電気を帯びにくいのと掃除が楽なので、この時そのまま放置せず、毎回掃除をすれば、次回以降も、汚れが飛び散ることは少なくなります。しかも、このミルは水洗いができるのです。
新型:刃がスカートの外に出ているので粉がこぼれ落ちる。しかし、セラミックは静電気を帯びにくいのと、掃除が楽なので、こまめに掃除をすれば、周囲への汚れもかなり抑えられる。

旧型:金属製のほうが静電気を帯びやすい

  • 粒の大きさの調節機構が使いやすいか否か
調節機構は、KONO式(コーノ式)ミル同様、側面を落とした形状になっています。これにより、ハンドルを楽に取り外すことができます。何度も書きますが、この機構は大変優れモノです。ネジを緩めることなく、粗さの調節ができます。しかし、留めているネジの直径が小さく、長く使ってから調整しようとする と、ネジが固くなります。
  • 分解がしやすいか 
前述しましたが、ハンドルを除くと4箇所のネジを外せばすべて分解ができます。部品点数の少なさという点で、F201よりも確実に進化しています。
  • 豆の入れやすさ
投入口は広く深いため、とても使いやすくなっています。旧型はまったく飛び散ることはありませんが、新型は若干飛び散ります。新型に、豆の飛び散り防止フタが付属するようになったのがわかります。旧型は省略していたのではなく、不要です。
  • 結論・評価
ミルの本体形状で、挽く軽さが変わると思っていましたが、刃の形状は予想以上に大きな影響があることがわかりました。そうでなければ、まったくと言ってよいほど同じ形状にもかかわらず、これほど挽き心地に差があることの説明ができません。動作が軽ければ、ある程度支えにくい形でも、どうにかなりますし、重い場合はわずかな欠点も見逃してくれません。本体形状も大切ですが、動作の軽い刃は、手動式では必須と言ってよいでしょう。改めて思いました。

 最後に評価です。この機種はディアボロ形状の最新機種として、どう評価をすべきかですが、残念ながら、高い評価を下すことができません。これだけ褒めておきながら、一体最後になって何なんだと思われるかもしれません。しかし、最後まで読めば納得してくださると思います。

 理由は、旧型の刃で挽くことを前提に作られた形状だと思うからです。旧型の刃の場合は、動作が非常に軽く、ホッパー とガラスの受け皿をねじ止めしている部分の径が大きくても問題ありませんでした。抑えのシリコンがなくても滑ることはなく、手で持って挽くこともできました。

 しかし、新型の刃ではそうはいきません。豆の飛び散り防止フタをし、本体をいろいろ動かせば何とかなりますが、くびれ部分を手で持って挽くことなど到底できません。机の上において挽く場合は、マットがないと、とても挽けません。そして実際に保持しようとすると、ねじ止めしている部分の径が大きく、非常に抑えにくいのです。これでは、一杯分挽くだけで嫌になってしまいます。新型のリニューアルは、旧型の欠点を丁寧につぶしたものですが、逆に元々の形状が問題になってしまいました。

  第二に、満足感がないことです。このコーヒーミルは、良いミルの条件を考えれば理想的です。ほぼ、すべての要素を満たしています。研究すればするほど、その素晴らしさが際立ちます。しかし、では「欲しいミル」なのかと言われると、疑問になります。非合理的な話ですが、どんなに優れた機能を持っていても、所有する満足感はそれを凌駕するということです。
 思うに、このミルは 「便利で機能的なキッチンツール」といった視点から設計されているのではないでしょうか。そうだとすると、すべてが納得できます。
 大変残念ですが「おいしいコーヒーが挽ける雰囲気」がありません。便利で機能的ですが、でもコーヒーミルはそういったものではないでしょう。

 機能的には、間違いなく最高です。その優れた機能、構造を生かしつつ、新型の刃に合わせた形状にし、おいしいコーヒーが挽ける雰囲気にデザインしなおせば、間違いなく現代の最高機種になると思います。

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 実は、ひそかにそう思い、形状を考え続けてきました。研究の視点がいつになく細かいのは、そうしたことからです。自分で作るなら、これだ!と思っていた要素がすべて満たされています。しかし、価格的に競争になりません。なにしろ、ネットで安い販売店を探せば、2000円程度から存在するのです。2000円といえば、素人がいくらがんばっても、シャフト部品群すら作れません。ステンレスの規格シャフトにネジの追加工するだけでおしまいです。刃など片方だけで、5000円はかかるでしょう。

 このモデルは価格競争力が圧倒的で、とても素人が太刀打ちできるものではありません。仮に理想的な形状のモデルを作ることはできても、売れる値段ではできないでしょう。

HARIOには素直に敬意を表したいと思います。

2014年8月16日土曜日

HARIO セラミックコーヒーミル・スケルトン・MSCS-2TBを研究する(1)

 前回取り上げた、KONO式(コーノ式)ミルF201があまりに合理的で使いやすかったので、すっかりこのディアボロ(≒中国独楽)形状の虜になってしまいました。他に何か存在しないか調べたところ、HARIOで作られているのを見つけました。

 今まで廃番のKONO式(コーノ式)ミルばかり取り上げてきたので、今回は気軽に手に入るHARIOの現行モデル「セラミックコーヒーミル・スケルトン・MSCS-2TB」を取り上げることにします。

 気軽に手に入るモデルを取り上げるといいながら、いきなりですが、これには旧型が存在していることがわかりました。
  このモデルは、構造的に実によく考えられています。良心的なコストダウンをしつつ、明らかな品質向上も実現しており、新型は高レベルで進化したと断言してよいでしょう。今までは、F201を除けば、どのミルも、ある意味「工作レベル」といっても許されると思いますが、これは工業製品として高度に完成されています。新旧でどこが変わったのかもあわせ、その違いを見ていきたいと思います。

 今回は、形状の違いを写真で見ます。次回以降、形状と使い勝手の関係を明らかにしていく予定です。
  • ホッパーの形状
ほとんど同じ形状です。新型は保存用のフタの取っ手がありませんが、実際に使うときはガラス本体を持つほうが使いやすいので、取っ手の有無は使いやすさには関係ないです。それよりも、取っ手がないことで、パッケージの箱を小さくすることができ、輸送費を削減することができます。こうした地味な取り組みが大事なんですよね。
MSCS-2TB 左の黒が新型 右の水色が旧型 保存用の蓋を除けば、ほぼ旧型形状を踏襲
本体は、型を縦半分で作成しています(PPは接着が困難なので、一体加工だと思われます)。新型は若干薄くすることで材料の使用量を減らしていますが、握った感触が頼りないことなど、まったくありません。シャフトが通る穴もきれいに成型されており、加工精度の高さがわかります。新旧ともに内側はラップ加工(鏡面仕上げ)されており、継ぎ目もなく、豆が引っ掛かりることもありません。大事なところはコストをかけています。(2015/6/27修正)
同一形状のように見えるが、豆の通る穴を拡大している。また若干薄くなっている
新型の豆の飛び散り防止フタをつけると、厚みが違うのがわかる。ガラスの受け皿は完全互換。
  • ハンドル長
若干長くなっており、軽い挽き心地を実現しようとした意図が見えます。握り玉は同じ形状に見えますが、中心の固定部分が若干低くなっており、洗った後の水の残り方が少なくなっています。地味な改良ですが、使い勝手は確実に良くなっています。実際に洗って乾かした時、実感しました。こういう細かい配慮は、日本製ならではですね。
新型になりハンドルが長くなった。握り玉の固定部分も、若干ピンの長さが短くなっている
  • 金属部品群
形状はほとんど同じですが、全部品にステンレスを採用、水洗い後のフリーメンテナンスを実現しています。また、加工精度も向上し、面取りがされ感触が向上しています。
右が新型 全部品にステンレスを採用 基本的に形状は踏襲しているが、面取りがされ感触が向上
右が旧型 鉄製のためサビが発生
外刃と本体のネジ止め箇所は、あらかじめネジ穴は切らず、木ネジで締めることでタップを立てています。設計・生産工程ともに大変合理的です。
ネジ止め部分の形状を見直し、ネジの短さ、規格に貢献
  • 刃の形状
新旧モデルで最も異なる個所です。形状、大きさとも明らかに異なります。

 旧型の刃は、今まで見たミルの中で最も小さいです。新型の刃はセラミックですが、原型は切削加工で作られています。かみ合わせ部を含め、今まで見た刃の中で最も精度が良いです。セラミックの形状の再現性、均一性は素晴らしいの一言に尽きます。

  新旧ともに、シャフトのネジ部分は転造方式で作成されています。切りくずが出ず、強度もアップし、大量生産ならコスト的にも有利な製造方式です。7mmのシャフトを元に、ネジ部分を8mmで作成、これで穴径とも合うようになっており、何もかもが細かく考えられています。
左が新型 明らかに大型化され、形状も見直されている。
刃を上から見たところ。新型はザッセンハウス・プジョーに酷似。旧型は四条。


左が新型 内刃以上に大きさが異なることが分かる。旧型は「ホッパー」と一体化されており分解できない

右が旧型 粉を細かくする部分がない・・・。これでも機能することに驚愕。

次回は、形状と使い勝手の関係を明らかにしていきたいと思います。