2014年11月16日日曜日

コーヒーミルを作ることにしました(6)

  前回作ったナイスカット用の試作替刃の欠点を取り除いたものを設計しました。ポイントは以下の3点です。
  • 豆を挽き込むスペースを設けること
前回の反省を踏まえ、かなりのスペースを割くことにしました。また、豆を砕く「列」は対の刃と数を変え、一度に同時に力がかからないようにしています。
  • 外周の隙間を一定にすること
直線放射状に変更しました。また、併せて刃の形状も見直しました。加工上の問題として、山形の刃は価格が高くなります。前回までは単価を下げるために、角が直線状の刃で考案してきましたが、機能的に不安がでてきました。いくら安くても、機能的に満足しないのでは本末転倒ですので、山形の刃に見直しました。
  • 内径を極力小さくすること
内径を小さくする案を考えましたが、どうやっても無理がありそうです。刃を分割して組み込めば、ギリギリまで迫ることができます。隙間にどの程度、微粉が溜まるかが課題となりそうです。

豆を挽き込むスペースを大きくしました。刃は山形に変更しました
豆を砕く「列」は、対の刃と一致しないようにしています。内径部は豆が入るスペースをなくしました。

  試作の検証には非常に時間がかかります。設計、工場での打ち合わせ、実際の工作(機械が空いている、隙間の時間に作っていただくことで、安くしていただいています)、実物の検証を、平日に普通の会社員が行うのには、かなりスケジュール的に難しいものがあります。また費用面も、そうそう気軽に行えるものではありません。次の更新も遅れると思いますが、どうぞご容赦ください。

コーヒーミルを作ることにしました(5)

 前回作ったナイスカット用の試作替刃ですが、スペーサーを作り、実際に動かしてみました。

 もちろん、ちゃんと挽けましたが、非常に時間がかかりました。同じ粒度で1.5倍程度の時間がかかる印象です。上から豆の挽き込まれる様子を見ると、なかなか豆が減りません。どうやら、豆を挽き込むスペースが足りないようです。片側だけ豆を挽き込むスペース分を削り、もう片方の刃の突起部分で砕いたほうが早く砕けると考えたのですが、ダメだったようです。

緑部分だけでは豆を挽き込むスペースが足りません。赤丸部分の隙間が一定ではありません。
反対側の刃。緑部分に突起を設けました。赤丸部分の隙間は一定です。
  実物を見習い、刃が斜め放射状に広がるように配列したのですが、これを突起状の刃で実現しようとすると、隙間が一定にならず、挽かれる粉の粒度が安定しない可能性があることが判明しました。高速で挽けば問題ないのかもしれませんが、視覚的に明らかに異なるので、気持ちの良いものではありません。また、工作的にも角度の割り出しなどで時間がかかり、コスト的に望ましい形状ではないことから、次回からは単純な放射形状にしたいと思います。角度による割り出しのほうが簡単なものだと思っていたのですが、そうではないようです。この辺は、機械を実際に使っている人でないと、なかなかわからないですね。

 内径は既製品に合わせた大きさで作成したのですが、隙間に豆が挟まります。既成品でも豆が挟まるのですが、「切り欠き」があったため、挟まる個所が少なくて済んでいました。それが、試作替刃では、切り欠きがないのでたくさん挟まってしまいました。

 さて、また考え直しです。