2016年11月19日土曜日

君の名は 時を渡りて 天伝ふ 誰そ彼ときに 関は消えたり ~ 「君の名は。」のパンケーキを作ってみました(4)

 1月7日(土)〜2月7日(火)、池袋パルコ本館の7階に「君の名は。」カフェが誕生というニュースが流れました。ここに、パンケーキの詳細情報があったので、追記しました。
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 「君の名は。」のパンケーキ作りに狂っている私に、友人がこんな画像があったよと送ってくれました。TV画像をキャプチャーしたとのこと。DVDが発売されたら作ろうと思っていたのですが、早く手に入ってうれしいです。好きな人の所にモノは集まってくると言いますが、本当にその通りですね。

 友人の期待に応え、早速作ることにしました。


三葉てめえ、ばか高いケーキとかドカ喰いしてんじゃねえよ!。司たちが引いているだろう
「三葉てめえ、ばか高いケーキとかドカ喰いしてんじゃねえよ!。司たちが引いているだろう」の図

パンケーキをドカ喰いしている場面をリアルに比較
パンケーキをドカ喰いしている場面をリアルに比較

モデルは息子です。今まで、何度もパンケーキを作っているのを見ているので、非常に協力的でした。

 半袖シャツの袖口、胸ポケットの口が緑でなくてすみません。あとはネクタイのストライプが逆ですね。瀧のネクタイは右下がりのブルックス・ブラザーズ式レップタイ(米国起源)、息子の制服は右上がりのレジメンタル(英国起源)です。ブルックス・ブラザーズは好きですが、タイはストライプの時はレジメンタルにしているので、購入しませんでした。

 椅子は、偶然にも我が家のものと同じです(!)。

 実際に作ってわかったのは、生クリーム、イチゴとも凄い量を使うということです。生クリームは200mmのワンパック全部でギリギリ足りるか足りない位、イチゴにいたっては25個(!)、1パック10個入り500円としても、イチゴだけで1250円・・・。季節によってはもっと高いですから、カフェで頼んだら、結構するのではないでしょうか。「ばか高いケーキとかドカ喰いしてんじゃねえよ!」と、瀧が怒るのも無理もないと思います。

 さて、食べた本人の感想ですが、「かなり量が多い」とのこと。確かに三葉はドカ喰いしていたようです(笑)。
 その場で作る生クリームはおいしいですね。コーヒーは煎りたて・挽きたて・淹れたての「三たて」がおいしいですが、生クリームも、作りたてはおいしいです。先日の秋のパンケーキ祭~紅葉狩鬼揃でも、その場で作った生クリームのおいしさが話題になっていましたっけ。

 結局、私が食べたのはほんの少しだけで、残りは全部息子があっという間に食べてしまいました。瀧ではありませんが「ていうかそれ俺の金だろうが!(笑)」と言ったら、カラカラと笑って向こうへ行ってしまいました。

+ 2017/1/8追記 ++++++++++++++++++++++++++++++++

 1月7日(土)〜2月7日(火)、池袋パルコ本館の7階に「君の名は。」カフェが誕生の記事中に、上から「撮影したケーキ」の写真があったのですが、「食べている場面のケーキ」からはわからないことがいっぱいありました。

瀧(中身は三葉)が思わず撮影したパンケーキ
「ばか高いケーキ」 瀧(中身は三葉)が思わず撮影したパンケーキ
  • 「撮影したケーキ」にはイチゴシロップ(?)がかかっている。「食べている場面のケーキ」にはかかっていないように見えたが、シロップは手前側にしかかかっていないようので、見えないだけだった。
  • 「撮影したケーキ」のイチゴには葉が付いている物がある。「食べている場面のケーキ」にはついていないものしかないが、天辺のイチゴ以外は隠れる位置にあるから、見えないだけだった。
  • 「撮影したケーキ」には天辺にイチゴがあるが、上の「三葉てめえ、ばか高いケーキとかドカ喰いしてんじゃねえよ!。司たちが引いているだろう」の図を見ると、まさに1個食べているので、天辺のイチゴを食べたようだ。
  • 「食べている場面のケーキ」では、上段のイチゴの間の「ピンク色のもの」は、生クリームに見えたが、「撮影したケーキ」を見るとマカロンだった。
  • ベリー以外に、「赤い小さな実」がある(1/8現在、何の実か不明)。
  • ミントの葉もある。これも見えないだけだった。
「三葉てめえ、ばか高いケーキとかドカ喰いしてんじゃねえよ!。司たちが引いているだろう」の図(2)  口を閉じて、モグモグしている場面
「三葉てめえ、ばか高いケーキとかドカ喰いしてんじゃねえよ!。司たちが引いているだろう」の図(2)

天辺のイチゴを食べて(?)、モグモグしている場面です。

リアルに比較する写真を撮った感想では、口をあいている場面の方が、現実の人間は笑顔を表現しやすいです。
最初に手に入れたキャプチャーが、口を開けていて良かったです。

 PARCOのパンケーキは1480円で食べられるようですが、私の試算では、イチゴだけで1250円。加えて8個もマカロンを使っていることを考えると、ちゃんと再現しようとすると原価だけで軽く超えてしまうようです。

PARCOのメニュー 「瀧と入れ替わった三葉も思わず写真を撮りたくなったパンケーキ」(1480円)
PARCOのメニュー 「瀧と入れ替わった三葉も思わず写真を撮りたくなったパンケーキ」(1480円)

 抹茶パフェは良いアイデアですね。見立ての文化を持つ日本ならではのものと思います。材料は何でしょうか。作ってみたいです。


御神体のある山頂を再現した抹茶パフェ
御神体のある山頂を再現した抹茶パフェ


 「君の名は。」で茶会を開きたいですね。

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 「君の名は。」がヒットした要因について、新海監督のコメントに「誰もズルしなかった」という記事がありました。一部を引用します。
 
 監督が思う同映画のヒットの要因について聞かれると「原因はわからないが、プロデューサーと『誰もズルしなかったもんね』という話になりました」と述懐。「作画チームも声優チームもみんな愛があって、(声優を務めた)神木(隆之介)くんもすごい気合で、(上白石)萌音ちゃんも台本すべて暗記してきた。みんな今までのルーチンでそこそこのパフォーマンスでやらなかった」と分析。そしてターゲットとしていた20代だけでなく幅広い層に浸透したことについては「人の話を聞く、ヒアリングをたくさんした。お客様の気持ちを置いていかないようにしたことが功を奏したと思う」と語っていた。

引用ここまで。

 全員が一所懸命に向き合ったことが、この結果を生んだとの、いかにも新海監督らしい控え目なコメントです。しかし、私としては、それだけではなく、何より、作品自体に「この作品に対して自分は誠実に向き合わなければならない」と思わせるだけの力がなければ、そうはならなかったと、声を大にして言いたいと思います。いくら「ズルはいけない」といわれても、気持ちがついていかなければ、高いモチベーションを維持できません。作品自体に力があり、かかわる人が、みんなズルをしない、いや誠実に向き合いたいと強く思ったからこそ、この結果が生まれたと思うのです。
 「君の名は。」は、間違いなく大切にしたい、慈しみたいと強く人を思わせるものに満ち溢れています。

 作品自体がすばらしく、それに関わることがうれしいと思わせるものがなければ、真に愛されるものにはなりません。私の作るミルも、そうありたいと強く思います。

 今の私に出来ることは、ズルをせず、真正面から向き合うことだけです。

2016年11月13日日曜日

プジョーの刃とF201のボディを組み合わせる(1)

 今回は、F201にプジョーの刃を組み込んでみました。相変わらず、時々空回りしてしまうプジョーの刃ですが、他の刃を検証した結果があまりに予想外だったので、いつまでも先送りするわけにもいかなくなってきました。ザッセンハウスに似た形状を持つプジョーの刃が、どのような評価を得るのか、検証したいと思います。

 比較項目は、ザッセンハウス同様、スタビライザーの有無で、挽き時間(ハンドルの回転回数)、挽き心地、粒度のバラツキについて粗挽き・中挽き・細挽きを、同じ豆、同じ量で検証します。

豆の種類 : アラビカブレンド深煎り
豆の量   : 約10g カリタコーヒーメジャーカップ#44059 すり切りいっぱい

①スタビライザーなし
                           回転数       挽き心地                                       バラツキ     
 ①-1 粗挽き:  30回  ざらつきがあるが、非常に軽い。          粒度はバラバラ 
 ①-2 中挽き:  37回  ざらつきがあるが、最後まで滑らか。    粒度は揃うが粗い粉が混じる
 ①-3 細挽き:  44回  最後まで非常に滑らか                       粒度は揃うが、若干粗い

②スタビライザーあり
                           回転数       挽き心地                                       バラツキ     
 ②-1 粗挽き:  35回  ざらつきがあるが、非常に軽い           非常に 粒度が揃う
 ②-2 中挽き:  38回  ざらつきがあるが、最後まで滑らか     ほぼ、粒度が揃う
 ②-3 細挽き:  50回  最後まで非常に滑らか                      粒度は揃うが、若干粗い

★粗挽きの評価

 スタビライザーをつけたプジョーの粗挽きは、非常に粒が揃います。極端に大きな粒があったり、細かい粉が混じったりするわけではないです。しかし、挽く速度は遅いです(回数が多いです)。というか、この刃は隙間が大きいようで、他の刃よりも細かい側に設定する必要があり、粒度がそろうのはそのためのような気がします。事実、これ以上粗く設定すると、F303同様、急激に粗い粉が多くなります。

 スタビライザーをつけたプジョーの粗挽きは粒度が揃いましたが、スタビライザー無しでは、結果は全く異なります。本当に同じ粗さで挽いているのか?と思うほど大きな粒が混じります。今まで何種類かの刃を比較してきましたが、これほどまでスタビライザーの効果を感じたことはありませんでした。

 挽き心地は、スタビライザーの有無にかかわらず軽いですが、最後までガリガリとした印象があります。ひっかかり具合の印象はF303に近いです。

プジョーの刃で挽いた粗挽き比較 左がスタビライザーなし 右がスタビライザーあり

★中挽きの評価

 スタビライザーをつけたプジョーの中挽きも、粒が揃います。しかし、粗挽きのような大きさの粒が入っているという印象があります。

 スタビライザー無しのプジョーですが、粗挽き同様、品質が悪くなります。粗挽きのような大きさの粒の数が、パッとわかるほど多くなります。プジョーの刃に、スタビライザーは必須のようです。

 挽き心地は、ざらつきがありますが、The Coffee Mill同様、一回も豆を噛みこむ感覚なしに、最後まで同じトルクでひっくことができます。オリジナルモデルでも、プジョーは軽い挽き心地でした。
プジョーの刃で挽いた中挽き比較 左がスタビライザーなし 右がスタビライザーあり



★細挽きの評価

 今回も刃がガリガリとかみ合わないギリギリの隙間、刃の限界点です。

 これはダメです。細挽きはまったく話になりません。F101でも挽く速度が速かったので、粗いかもしれないという予想をしましたが、プジョーはさらに粗いです。

 ザッセンハウス・The coffee MIllは70~80回、F101は47~48回、プジョーは40回~47回です。「これは粗いかな」と思って受け皿を開けたのですが、やはりそうでした。

 挽き心地は、F303に似て、時々ひっかかる印象があります。

プジョーの刃で挽いた細挽き比較 左がスタビライザーなし 右がスタビライザーあり

 


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 今回の検証結果ですが、中細~中粗挽きだけが安定しているという印象です。どうやらある一定以上の粗挽きと、細挽きが苦手な刃というものがあるようです。

 ザッセンハウスの刃とプジョーの刃は形状が似ていることもあり、挽き心地の差はホッパーの形状にあると思っていました。しかし、細挽きの粉を挽いた際に明らかな差があり、刃自体に差があるとしか思えない結果が出ました。もしかしたら、両者の形状を比較すれば何かがわかるのかもしれません。

 検証すればするほど、どういった形状の刃が良いのか、わからなくなっています。しかし、プジョーの刃もF303と似たような傾向を示すということで、データがひとつ増えました。

2016年11月5日土曜日

F303の刃とF201のボディを組み合わせる(4)

 今回は、再度F201にF303の刃を組み込んだテストをしてみます。

 F101は粗挽き、中挽きの時は、すばらしく滑らかな挽き心地を持っていました。これで細挽きの品質さえ良ければ刃の形状が決定します。相似形であるF303がどのような評価を得るのか、検証したいと思います。

 比較項目は、今まで同様、スタビライザーの有無で、挽き時間(ハンドルの回転回数)、挽き心地、粒度のバラツキについて粗挽き・中挽き・細挽きを、同じ豆、同じ量で検証しようと思ったのですが、アダプターをスタビライザーありの前提で作成したので、スタビライザーをつけないと、刃が落ちてしまうことがわかり、スタビライザーありの状態だけの計測となりました。すみません。

豆の種類 : アラビカブレンド深煎り
豆の量   : 約10g カリタコーヒーメジャーカップ#44059 すり切りいっぱい

スタビライザーあり
                           回転数       挽き心地                                          バラツキ     
 ②-1 粗挽き:  30回  最後まで滑らか。非常に軽い。                大きな粒が混じる
 ②-2 中挽き:  36回  最後まで滑らか。途中で固いことがある。  粒度が揃う
 ②-3 細挽き:  79回  最後まで滑らか。途中で固いことがある。  ほぼ粒度が揃う


★粗挽きの評価

 皆さんの期待を裏切って申し訳ないのですが、なんと粒度が安定しません。粗挽きの範囲を超えた大きな粒が混じります。他のどのミルでも、細かい粉と大きな粉は混在するのですが、特に大きな粒が混じるという印象があります。何かの間違いかもしれない、私の設定が悪いのかと思い、中挽きから粗挽きに何度も調整したのですが、変わりません。わかったのは突然、粗い粉が多くなるところがあり、それを超えると範囲を超えた大きな粒が多くなるということです。大きな粒が出ないように設定すると、粗挽きでありながら、細かい粉が多くなり、粒度が安定しないという印象が強くなります。狙った粒度を出すのが、非常に難しいです。
 今まで粗挽きで挽くことがなかったのと、粗挽きの粒度について深く考えたことがなかったので気にしていませんでしたが、こうして比較すると、かなり安定しない(=設定が難しい)ことがわかりました。

 挽き心地は、他のモデル同様、粗い粉を挽くときは軽くなるのですが、時々、ひっかかることがあります。今まで、気にしたことがなかったのですが、F101の刃を使った後だからでしょうか。わずかな引っかかりも気になるようになってしまいました。

★中挽きの評価

 この傾向は中挽きも同じで、調整に苦労します。写真でもわかる通り、若干、通常の中挽きよりも細く挽いています。そうしないと粗い粉が混じります。

 挽き心地は、粗挽き同様、時々ひっかかることがあります。一度に挽く量が多くなったからでしょうか。ザッセンハウスのように、回転が止まるほどの固さではありませんが、終始滑らかというわけではないです。

★細挽きの評価

 今回も刃がガリガリとかみ合わないギリギリの隙間、刃の限界点です。

 残念ながら、細挽きもあまり細かくなりません。細かい粉を挽けるのだから、細挽きは上手くいきそうな感じがしますが、ザッセンハウスのようにふわっとした印象はなく、ペタリとした印象です。この刃は、ガリガリとかみ合わないギリギリの隙間が大きいです。もともと精度良く作られた刃なのですから、もっと細かく挽けそうなものですが、そうでもなかったです。

F303の刃で挽いた粉
F303の刃で挽いた粉の比較 左から粗挽き、中挽き、細挽き

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 今回の結果には驚きました。自分のしているテスト方法が、どこか間違っているのではないかと思い、何度もやり直しましたが、結果は同じでした。

 粒度設定のしにくさという点で、この刃は大きく劣ります。評判の良いF303の刃ですが、それは今まで「このモデルだけがシャフトを両抑えしていることで、空廻しのした時の動きが良かったため」だと思わざるを得ません。他の刃も、同じようにシャフトを両抑えした条件下では、その優位性は大きく揺らぎました。

 もちろん、きちんと粒度を固定して使っている方には問題ありません。しかし、当ブログとしては、頻繁な分解掃除を推奨しており、分解掃除後の調整の手間を考えると、高い評価を下すことができません。

 そして、F303の刃はF101の同様、分解掃除の手間がかかりすぎます。他の刃は内刃は1つのパーツでできていますが、分解してしまったこともあり、10個ものパーツを洗う必要があります。組立の順序などは慣れればそれほどでもありませんが、それでも1回で正確に順番通り組み上げるのは、まず無理です。間違いなく高頻度な清掃は億劫になります。また、板と板の間にわずかな隙間があることも、古い粉が残り続ける要因です。

 分解掃除の頻度が少なくなること、古い粉が残り続けること、これは、下記の当ブログの考える「良い手動式ミルの条件」の2点を満たしません。

 第一条件:古い豆、粉がミルの中に残らないこと。
 第二条件:(分解・)掃除(・組立)がしやすいこと。

 今までずっとF303の形状こそ優れた形状だという前提に立って、すべてのサイズ・形状を規定してきました。本体の大きさ、厚さなど、F303の内刃・外刃が収まるギリギリに収めるため、0.1mmどこで削るかというレベルで何度も設計変更、打ち合わせをしてきました。

 「図面は簡単に描けるかもしれないが、実際に加工するとなると、これだけの厚さがないと歪むから厚さを確保してほしい。」
 「この部分をあと0.5mm大きく削れば、加工精度が飛躍的に向上する。エンドミルのブレをなくすためにも、大きくした方が良い。」
 「この斜めの形状は必須なのか?ここを直線にすれば、加工が楽になる。加工時間も短くなるし、高価な機械を使わずに済むから、安くできるし、何より精度が向上する。」
 「ネジ径が小さいが、なんとかならないか。この径では強度が確保できない。もう1サイズ大きくないと耐えられないだろう」

 こうしたやりとりを、それこそ年単位で、何度もしてきました。

 しかし、今回の検証結果は、その前提を根底から覆してしまいました。

 一体、F101の優位性とF301の違いはどこにあるのか。材質・形状の差が原因なのか。まだ検証していないプジョー・FISCO・F201を研究することでわかるのか。それとも、さらに変数が増えるのか・・・。

 本体の外部形状はともかく、他の部分はすべて振り出しに戻ってしまいました。

 まさか、このような結果になるとは、予想もしていませんでした。F303の優位性を疑ったこともなかったので、かなり衝撃を受けています。

2016年11月3日木曜日

君の名は 時を渡りて 天伝ふ 誰そ彼ときに 関は消えたり ~ 「君の名は。」のパンケーキを作ってみました(3)

 友人から「なぜ趣味人氏がそんなに「君の名は。」に感激しているのか、正直言って良くわからなかったけれど、更新された投稿を読んで、やっとわかったような気がする。「過剰品質」や作品を取り巻く人の熱い思い、そして趣味人氏も、まだ見ぬ人を探していたんだね」と言われまして、ああ、伝わったのだなと思いました。書いてみるものですね。

君の名は 時を渡りて 天伝ふ 誰そ彼ときに 関は消えたり ~ 「君の名は。」のパンケーキを作ってみました(1)
君の名は 時を渡りて 天伝ふ 誰そ彼ときに 関は消えたり ~ 「君の名は。」のパンケーキを作ってみました(2)

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 前回はベリーの色がきれいでなかったり、左上のほうにある、四角いお皿とコーヒーフレッシュとアメ(?)のようなものがなかったりしたので、作り直しました。
「君の名は。」 パンケーキ
君の名は。パンケーキ

 
君の名は。パンケーキ 比較-
君の名は。パンケーキ 比較

「君の名は。」 パンケーキ
「君の名は。」のパンケーキ元ネタ このラベルのメープルシロップは、現実にはないようです。 
 四角いお皿の「アメ」ですが、コーヒーフレッシュと一緒の皿に置くなら「砂糖」のほうが自然と思い、砂糖にしました。アメ・キャラメル・砂糖のいったいどれなのか、縞模様で1個パッケージのものを、いろいろ探し廻ったのですが、どうもぴったりのものがないようです。砂糖と仮定して、ホワイトシュガーとブラウンシュガーの、両方を置いてみました。

 キャラメルマキアートが、何度やっても沈んでしまうので、チョコペンで書いてしまいました。

 先日、感想を戴いた方々をお招きして(無理やり呼び出して)、紅葉狩-鬼揃ならぬ、秋のパンケーキ祭 & 後夜祭をいたしました。
春のパンまつりほどの奇祭ではありませんが、平維茂が接待役になるという、逆転祭。おかげさまで、用意した食材は、生クリームまで、きれいさっぱりなくなりました。後夜祭も、昼からずっと一緒だったのに、尽きることない会話で、予定時間をはるかに超えて大盛り上がり。楽しかったー!

+ 神話に関する「過剰品質」なお話 ++++++++++++++++++++++++

イザナミイザナギの結婚の話は、もう何度も書かれていますが、京阪神の人向けにも補足します(以下、東京の地図を見ながらどうぞ)。
 イザナギ・イザナミの国生みと関係してくるのところですが、三葉が飛騨から来て最初に瀧と会うときと、最後に、2人が出会うときです。

 最初に会うとき、代々木駅で三葉は瀧を見つけます。そして、同じ電車に乗ってしばらくためらった後、声をかけます。ここで瀧に「誰?」と言われてしまうわけですが、実は神話的にも、最初に三葉(イザナミ)が声をかけることで、この出会いは失敗することが示唆されています。

 これに対して、最後に会うときは違います。二人は新宿で別ホームから四ツ谷・お茶ノ水方面の電車に乗ります。三葉が総武線(中央総武緩行線)、瀧が中央線快速です。代々木を過ぎたあたりで電車は並走、映画の通り、実際に隣に走る電車の乗客の顔までわかります(ここでお互いに気が付く)。三葉は総武線の次の停車駅の千駄ヶ谷で降り(中央線快速は止まりません。ホームもないです)、瀧は中央快速線の次の停車駅、四ツ谷で降ります。
 ここからキービジュアルの須賀神社(本宮の出雲の須我神社は和歌発祥の地!)への道のりをたどると、瀧は左回り(イザナギ)、三葉は右回り(イザナミ)に動いているのが分かります。しかも電車の動きも、快速が四ツ谷まで行くと左回りに回りますが、総武線千駄ヶ谷で下りると左回りになる前なのです。
 そして、声を最初にかけるのは瀧(イザナギ)です。これで、これからも二人は上手くいく、ハッピーエンドということが示唆されていると思います。

 映画を見た時は、なんで三葉は、そのまま四ツ谷まで乗り続けないんだ?東京に住んでいるなら、そこで降りたら、いくら思いがあってもダメなのはわかるだろう。瀧は先に四ツ谷の総武線ホームで待っていると考えるのが普通で、千駄ヶ谷で降りたら、それこそ会えなくなるだろうと思いましたが、必然の動きなのですね。

 東京では他に、丸ノ内線の中野坂上-新中野、中野坂上-中野新橋で隣の車両内が見える状態で並走するので、瀧が新中野、三葉が中野新橋下車ならドラマが成立しそうです。でも、十貫坂上では出会う場所が劇的ではないですね。あとは田端-品川間で京浜東北線快速と山手線、池袋-大崎間で埼京線と山手線で成立しそうな気もしますが、明らかにそのまま乗り続けないと不自然ですし、左回り・右回りが両立する個所がありません。唯一、上野-鴬谷間が左回りですが、鴬谷で降りるというのは、ちょっとどうですかね・・・・(大阪ですと京橋から桜ノ宮にかけて歩いたという感じです・・・)。

 大阪で言うと阪急梅田に向かう途中、瀧が京都線に乗車、三葉が宝塚線に乗車、十三を過ぎ中津につく前にお互いに気が付く。三葉は中津で下車、瀧は梅田で下車(東京の方へ:京都線は中津に止まりません。ホームもないです)、そこで降りて、お互いを探すといった感覚です。
 四ツ谷-千駄ヶ谷間は、中津-梅田ほど近くはありませんが、三葉には、そのまま乗車していろ!と言いたくなりますよね。
 これが京阪本線の普通中之島行きと区間急行淀屋橋行き(他の組み合わせもありますが)が野江付近で並走、お互いに気が付くという設定だと、京橋駅のホームで出会えますからダメな訳です(この感覚は、京浜東北線と山手線の並走感覚とほぼ同じです)。