使いやすいコーヒーミルとはどんなものか、もうひとつの重要な要素であるミルの固定方式から、考えてみることにします。
ここで改めて
かつおぶし削り機「オカカ」を使ってみます。オカカは下面に吸盤があり、固定できるようになっています。本体の固定という点では申し分ないです。しかし、かつおぶしを上から強く押さえないとなかなか削れません。この上から押さえる力に該当するのが、今まで検証してきた螺旋の強さです。
コーヒーミルの場合、ホッパーの斜面と螺旋により、豆を引き込み、挽くことができました。引き込む力が強すぎると、一度にかかる力が多く疲れましたが、オカカのように、押さえる力がまったくないと、押さえる手が疲れます。こんなことを考えながら、かつおぶしを押さえながらハンドルを廻すと、左手の手首が干渉し、それを避けるために無理な押さえ方をするので、左手の手首が疲れることが分かりました。
早速、コーヒーミルを使ってみたところ、やはり、ハンドルを廻した時に、押さえる側の左手と干渉するモデルは、疲れることが分かりました。 いろいろなブログを読みますと、本体が大きいモデルは疲れにくいことが書かれていますが、それは押さえる手に無理な力がかからないこと、本体を押さえながら、ハンドルを廻した時に干渉しないモデルを意味しているように思えます。
コーヒーミルにおける「固定のしやすさとは何か」を考えると、以下の4点があげられると思います。
- 絶対値として、動作が軽いこと
- 底面が固定されること
- 押さえる手に無理な力がかからないこと
- 本体を押さえながら、ハンドルを廻した時に、押さえた手と干渉しないこと
この点から見直すと、今まで見てきたモデルでは、F303が一番使いやすいです。
- 抜群に軽い動作
- ゴム足(刻印付きのモデル)
- 左手で押さえる際の接地面の広さ
- 廻した時に左手に当たらないだけの高さにあるハンドル
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名機 F303 人気があるのもわかります |
全ての要素を持っています。やはり、F303は使いやすいモデルでした。人気があるのもわかります。
これでF101のように角のない受け皿と、分解掃除がしやすければ最高なのにと、腕が疲れず、受け皿が汚れにくい構造の要素を突き詰めていたところ、F201の形状が浮かんできました。
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F201 ミニマムな形状 |
- 廻した時に左手に当たらない高さに、ハンドルが配置されている
- 左手で押さえる際、親指と人差し指を開いて握るような形状は押さえやすい
- 角のない受け皿
- 分解しやすく、場合によっては洗える本体
まさに最小限の形状で、上記の要素を満たしているように思えます。
これだけコーヒーミルのことを考えながら、F201の存在を完全に失念するなんて不思議ですが、箱型のミルのことばかり考えていたので、思い浮かびませんでした。しかし、考えれば考えるほど、上記の条件を満たしているように思えます。こうなると、もう頭の中がそれだけでいっぱいになってしまいます。早速、Yahooオークションで探したところ、定期的に出品されています。落札することにしました。
次回はKONO式(コーノ式)のミルで最高の人気を誇る、F201を取り上げます。