2014年12月28日日曜日

コーヒーミルを作ることにしました(7)

先日、工場に出向き、新しく設計した替刃の試作をしてきました。
  •  豆を挽き込むスペースを設けること
前回の反省を踏まえ、かなりのスペースを割いたつもりでしたが、それでもまだスペースが足りないようです。また、豆をひきこむ形状が、加工上、困難なものとなっていました。目の前で、汎用フライス盤にセットするのですが、どう部品を置いたら良いのか非常に迷いました。自動機器なら問題にならないのでしょうが、工数を減らすことも目的としているので、無駄に複雑な形状は見直す必要があります。

豆を引き込むスペースをなくした状態にまで設計を戻しました
 年内には完成させるつもりでしたが、まだまだのようです。


 旋盤やフライス盤で作業するのを見ると、実際に形にするには、実に多くの制約があることに気づかされます。CADのレンダリングではなんともないように見えるものでも、 加工するには、多くの手順が必要だったりすることがあります。日本の工場の職人たちは、それをなんとか工夫して、最小の手順で実物にしてきました。その過程には大きな智慧を感じます。人それぞれに異なるアプローチから考えた手順があり、傍目には同じに見えるものでも、その過程は、決して同じではありません。どれが正解というわけではなく、使っている機械のクセによっても手順は変わります(精度が出ている機械なら、ゆるくはめて、何度も少しずつ削るのが良いでしょうし、馬力のある機械なら、がっちり噛みこんで、一度に削る方が早く、生産性も上がるかもしれません)。

 工夫の跡を知った時は、静かな感動があります。先人の知恵を知り、敬意を払うことができることに幸せを感じます。

 工場に通い、熟練職人の機械の操作を見るようになってから、わずかですが、頭の中だけで設計したものと、機械の制約のなかで設計したものの区別がつくようになってきました。

 純粋に好みの問題ですが、私は機械の制約の中で設計したものの方に魅力を感じます。

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