今まで、全て使用感の違いを以下の6点になると思うと書いてきました。ダイヤカットミルではどうなのか、同じ項目について個別に見ていきます。
- 挽き心地が軽いか否か
- ホッパーに豆が残るか否か
- ホッパーの縁に挽いた粉が飛び散るか(汚れが激しいか)
- 粒の大きさの調節機構が使いやすいか否か
- 分解がしやすいか
- 豆の入れやすさ
- 挽き心地が軽いか否か
重さに関係なく、長時間ハンドルを廻し続けるほど、横廻しの良さがよくわかります。長時間、高頻度で廻す場合、腕の動きが自然な方が疲れないのは明白です。それは過去の業務用のミルがそうであったことからも明らかです。横廻しであることは明らかに「楽な挽き心地」に関係があります。
- ホッパーに豆が残るか否か
横型のミルでは原理的にすべての粉を排出できないので、刃の部分にかなりの量の粉が残り続けます。
- ホッパーの縁に挽いた粉が飛び散るか(汚れが激しいか)
- 粒の大きさの調節機構が使いやすいか否か
- 分解がしやすいか
本体の分解方法
ハンドルのネジを取ります |
本体右側のネジを取ります |
反対側の粗さ調節ネジを外します |
回転刃・固定刃などの部品を抜き取り、反対側の「フタ」も外します。分解できるのはここまでです。 |
分解すると、本体内部にあまりに大量の粉が残ってることに驚かれると思います。部品はすべて水洗いできますが、錆を防止するため、すぐに水をふき取ります。タワシや歯ブラシなどを使うのが良いと思います。油などを差す必要はありません。
本体の組み立て方法
(写真の組み立て案内は、右利きの人がハンドルを手前から奥に廻す際の組み立て順序です)
部品一覧 組み上がった時の順番に並べてあります |
1.受け皿の取っ手を手前にして、左側の蓋を固定します。
最初に左側の蓋をネジ止めしておきます。この方が組立方法がはっきりします。 |
回転刃はどちらでも構いません。本来ならば、回転刃の突起部分の垂直面が回転方向に対して来るほうが良いのですが(みるっこの刃は、そのような組み方になっています)、反対側の刃も同じ形状なので、どちらかが必ず逆になってしまいます。ですので、組み合わせはないです。
赤丸の組み合わせが良いが、反対側は必ず青丸になるので、どちらを組み合わせても同じ |
3.固定刃「2」をはめます
鋭く切られていない側が右にある方の刃を先に組み込みます |
5.反対側の「固定部品?」をはめます
最初の回転刃が奥まで入っていないと、上手く組み上がりません |
赤丸の鋭くない側が奥。 青丸の部品は外した状態で組み込む(バラバラになるので、写真撮影のためにつけただけ) |
赤丸の側に鋭くない部分が入るように入れます |
ねじを留めます。ハンドルをつけて組み立て完了。 |
組み上がり完成状態(市販品の写真です) |
- 豆の入れやすさ
- 結論・評価
横廻しのミルは、明らかに楽に弾けます。当ブログの考える良いミルの第三の条件「挽き心地が軽いこと」を、これほど満たすミルは他にありません。しかし、ダイヤカットミルは考えられないほど、本体に粉が残ります。これは、第一条件「古い豆、粉がミルの中に残らないこと」に明らかに反します。結果、第四の条件「周囲を汚さないこと」も満たしません。しかし、それを凌駕する第七の条件、「満足感の高い」ことも、また事実なのです(2015/4/25 第六から第七に変更)。
これらの問題をどう解決するのか、横廻しの軽さと、粉が残らないことをどう両立させるのか、そのうえで、持つ喜びを満たすミル形状はどのようなものか。試行錯誤が続きます。