2016年11月13日日曜日

プジョーの刃とF201のボディを組み合わせる(1)

 今回は、F201にプジョーの刃を組み込んでみました。相変わらず、時々空回りしてしまうプジョーの刃ですが、他の刃を検証した結果があまりに予想外だったので、いつまでも先送りするわけにもいかなくなってきました。ザッセンハウスに似た形状を持つプジョーの刃が、どのような評価を得るのか、検証したいと思います。

 比較項目は、ザッセンハウス同様、スタビライザーの有無で、挽き時間(ハンドルの回転回数)、挽き心地、粒度のバラツキについて粗挽き・中挽き・細挽きを、同じ豆、同じ量で検証します。

豆の種類 : アラビカブレンド深煎り
豆の量   : 約10g カリタコーヒーメジャーカップ#44059 すり切りいっぱい

①スタビライザーなし
                           回転数       挽き心地                                       バラツキ     
 ①-1 粗挽き:  30回  ざらつきがあるが、非常に軽い。          粒度はバラバラ 
 ①-2 中挽き:  37回  ざらつきがあるが、最後まで滑らか。    粒度は揃うが粗い粉が混じる
 ①-3 細挽き:  44回  最後まで非常に滑らか                       粒度は揃うが、若干粗い

②スタビライザーあり
                           回転数       挽き心地                                       バラツキ     
 ②-1 粗挽き:  35回  ざらつきがあるが、非常に軽い           非常に 粒度が揃う
 ②-2 中挽き:  38回  ざらつきがあるが、最後まで滑らか     ほぼ、粒度が揃う
 ②-3 細挽き:  50回  最後まで非常に滑らか                      粒度は揃うが、若干粗い

★粗挽きの評価

 スタビライザーをつけたプジョーの粗挽きは、非常に粒が揃います。極端に大きな粒があったり、細かい粉が混じったりするわけではないです。しかし、挽く速度は遅いです(回数が多いです)。というか、この刃は隙間が大きいようで、他の刃よりも細かい側に設定する必要があり、粒度がそろうのはそのためのような気がします。事実、これ以上粗く設定すると、F303同様、急激に粗い粉が多くなります。

 スタビライザーをつけたプジョーの粗挽きは粒度が揃いましたが、スタビライザー無しでは、結果は全く異なります。本当に同じ粗さで挽いているのか?と思うほど大きな粒が混じります。今まで何種類かの刃を比較してきましたが、これほどまでスタビライザーの効果を感じたことはありませんでした。

 挽き心地は、スタビライザーの有無にかかわらず軽いですが、最後までガリガリとした印象があります。ひっかかり具合の印象はF303に近いです。

プジョーの刃で挽いた粗挽き比較 左がスタビライザーなし 右がスタビライザーあり

★中挽きの評価

 スタビライザーをつけたプジョーの中挽きも、粒が揃います。しかし、粗挽きのような大きさの粒が入っているという印象があります。

 スタビライザー無しのプジョーですが、粗挽き同様、品質が悪くなります。粗挽きのような大きさの粒の数が、パッとわかるほど多くなります。プジョーの刃に、スタビライザーは必須のようです。

 挽き心地は、ざらつきがありますが、The Coffee Mill同様、一回も豆を噛みこむ感覚なしに、最後まで同じトルクでひっくことができます。オリジナルモデルでも、プジョーは軽い挽き心地でした。
プジョーの刃で挽いた中挽き比較 左がスタビライザーなし 右がスタビライザーあり



★細挽きの評価

 今回も刃がガリガリとかみ合わないギリギリの隙間、刃の限界点です。

 これはダメです。細挽きはまったく話になりません。F101でも挽く速度が速かったので、粗いかもしれないという予想をしましたが、プジョーはさらに粗いです。

 ザッセンハウス・The coffee MIllは70~80回、F101は47~48回、プジョーは40回~47回です。「これは粗いかな」と思って受け皿を開けたのですが、やはりそうでした。

 挽き心地は、F303に似て、時々ひっかかる印象があります。

プジョーの刃で挽いた細挽き比較 左がスタビライザーなし 右がスタビライザーあり

 


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 今回の検証結果ですが、中細~中粗挽きだけが安定しているという印象です。どうやらある一定以上の粗挽きと、細挽きが苦手な刃というものがあるようです。

 ザッセンハウスの刃とプジョーの刃は形状が似ていることもあり、挽き心地の差はホッパーの形状にあると思っていました。しかし、細挽きの粉を挽いた際に明らかな差があり、刃自体に差があるとしか思えない結果が出ました。もしかしたら、両者の形状を比較すれば何かがわかるのかもしれません。

 検証すればするほど、どういった形状の刃が良いのか、わからなくなっています。しかし、プジョーの刃もF303と似たような傾向を示すということで、データがひとつ増えました。

6 件のコメント:

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  2. こんにちは
    最近、良く行く喫茶店の店主からコーノのf303の存在を教えて貰い、こちらのブログを拝見し始めた者です
    興味深い考察や実験、大変参考になります
    よろしくお願いします

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  3. tl azure123さま

    はじめまして。このたびはコメントありがとうございます。参考になるとのこと、大変励みになります。
    F303の存在を教えてくださるような喫茶店のマスターがいらっしゃるのですか。さぞかし美味しい珈琲を淹れられるお店なのでしょうね。F303シリーズは、良いミルですので大事になさってください。

    今後も、皆さんの参考になるようなことを書いていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

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  4. 実は先日ヤフオクでF301の方を落としまして、今日現物が届き、早速豆を挽いてみて感動しました
    粒度の揃いもそうですが、特に微粉の少なさが素晴らしいです
    私は茶漉しで微粉を取るのですが、このミルで挽いた豆からは微粉はほんのうっすらと出るくらいでその性能の高さが理解できました

    また、中古品なのですが状態も非常によく、エアダスターで吹き飛ばして、刃以外の金具部分を軽くアルコールを含ませた紙で磨いただけでピカピカになりました

    ただハンドルが外れなかったので、よろしければ外し方を教えて貰ってもよろしいでしょうか

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    2. tl azure123さま
      F301お試しになったのですね。おめでとうございます。ハンドルの外し方ですが、主軸の上部が六角ボルトで留まっているかと思います。これを傷つけないように、布か何かで養生して、六角レンチか大きなペンチで廻すのがよろしいかと思います。傷が付くのは嫌ですからね。あらかじめミシン油とか、ネジをゆるめる油をさしておくと、さらに効果が高まると思います。後は、同じサイズのステンレス製の六角ボルトを買ってきて、普段はこれに付け替えれば、気軽に分解組み立てができると思います。取り急ぎ

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