「本書は機械工学の偉大な碩学。淺川権八博士の名著「機械の素」を母体にしています。明治末期の初版以来、現代に至るまで、同書の有効性は燦然と輝いています。脚光を浴びている産業用ロボットの駆動機構も本書に収録した原型から応用機構を含むメカニズム800余例にその基本が示されているといえましょう。
機械系学生、研究者、技術者の座右にあって、名実ともに生涯役立つ実用の基本図書として、ぜひ一冊机上にお供えください」
とありますが、その言葉にまったく偽りありません。元となった「機械の素」の初版は、なんと1912年。版を重ね、1966年10月に新編、1983年に解説を改訂・縮刷して本書となりました。これぞ、不朽の名著です。おそらく私は、一生手放さないでしょう。
機構的に困った時、何かを作りたいときは、必ずこの本を読みます。直接「これ」というものはなくとも、類似した構造があったり、参考になるものが必ずあります。
またこの本は、たとえ機械の設計者でなくとも役に立ちます。
日経産業新聞 仕事人秘録 工場再生請負人と呼ばれて(6)(2008/9/2 P20)で山田日登志氏は、
「からくり=簡単に言えば丸と直線の組み合わせ」を応用すれば設備投資の額を大幅に削減でき、生産性が何倍にも高まる。色々な機械の動きの研究に没頭したとおっしゃっています。
色々な機械の動きを研究することは、ものの見方に幅が出るのです。学科を問わず副読本(高等学校あたりが良いでしょうか)に採用すべきものと思います。何より単純に読み物として面白いです。
どういった機構を採用するか、以下の選定条件で探して見ます。
- 横の回転運動を、縦に変換できること
- 手で回した回転数を上げられること
- 直交する歯車をそれぞれ、軸の両側から保持できること
- 「横の回転運動を、縦に変換できること」を満たすものとして、以下のものが見つかります。
傘歯車(ベベルギア)(bevel gear)
マイタ歯車(miter gear)
まがりばかさ歯車(spiral bevel gear)
ハイポイドギア(hypoid gear)
フェースギア(face wheel and worm)
ネジ歯車(herical or screw gear)
- 「手で回した回転数を上げられること」で絞り込みます
まがりばかさ歯車(spiral bevel gear)
ハイポイドギア(hypoid gear)
ネジ歯車(herical or screw gear)
- 「直交する歯車をそれぞれ、軸の両側から保持できること」では2点になりました
ネジ歯車(herical or screw gear)
ハイポイドギアは一般的ではないようで、あまり種類がないのと、高価ですので、ネジ歯車を採用することにしました。
ネジ歯車(herical or screw gear) |
次は歯車の購入です。しかし、実際の形にするには、まだまだ想像もつかない問題が山積みになっていたのでした。
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