2014年4月9日水曜日

KONO式(コーノ式)ミル F205(共通刃 F201・F205)を研究する(1)

 KONO式(コーノ式)ミルのF205について研究してみます。
KONO コーノ式ミル F205
KONO F205:管理人

  このモデルですが、実際に使ってみると、非常に使いやすいモデルです。ザッセンハウスの様に、ときどき重くなるようなこともありませんし、プジョー程ではありませんが、十分に軽快な挽き心地です。実際、三者を持っている時では、一番使用頻度が高かったです。

 しかし、いったい、なぜこんなに軽い挽き心地なのでしょう。

 ザッセンハウス、プジョーを比較してわかったのは、ザッセンハウスとプジョーを比較する(3)で書いたように、
  • 似たような刃の形状
  • ケースの大きさ・ハンドルの動作半径・刃の大きさ・形状とも、それほど違わない
という前提条件の場合、
  • ミル本体を固定すること
  • ホッパーの勾配を緩く、段差を作るなどして、引き込む豆の量を少なくすること
が軽い挽き心地を決定する要因だということでした。特に両者の場合は、刃の形状が似ていることが、比較のベースとなり、ホッパーの形状に原因を求められる要因となりました。

 しかし、このミルの刃を見た時は驚きました。ネットでは切れ味が悪いとされる鋳物の刃を使い、形状も、ザッセンハウス・プジョーのミルの「良い切れ味の根拠」とされている、「鋭い刃」を完全否定したに等しかったからです。
  • 刃の形状が良い(二重螺旋臼刃)
  • 鋭い刃
  • 硬質な金属
に対して
  • 均等な螺旋形状ではなく、不揃いな「斜面」(二重螺旋臼刃ではあります)
  • ほとんどエッジが立っていないと言い切れる、なだらかな刃
  • ネットでは、切れ味が悪いとされる鋳物製
となっています。
KONO コーノ式ミル F205の内刃
KONO F205の刃

KONO コーノ式ミル F205の内刃(2)
KONO F205の刃 別角度
KONO コーノ式ミル F205の内刃(3)
KONO F205の刃 別角度
それにも関わらず、KONO式(コーノ式)ミルは高い評価を得ています。なぜなのでしょう。それとも、高い評価を得ているのは、F205ではなく、別の機種なのでしょうか。ひとつひとつ見ていくことにします。

ケースの固定しやすさ(大きさ)

本体の大きさは、あまり変わりません。

ザッセンハウス  138×138×H不明 (改造したので、既製品の高さが測れない) 
プジョー            133×133×H210 (公式データは130×130×210)
コーノF205        127×127×H183 

ハンドルの動作半径

動作半径もそれほど変わらないです。

ザッセンハウス  113mm
プジョー             85mm
コーノF205    108mm

刃の形状・鋭さ

 最大の違いです。大きさ、形状、材質ともに大きく異なります。不均等な形状にしたのは、豆を引き込む場所と砕く場所に分けることで、一度にたくさんの豆が入らないようにしたためでしょうか。経緯を知る人がいらっしゃいましたら、ぜひ、お話しを聞いてみたいものです。

ザッセンハウス   高さ(22mm程度)・径(30mm程度)・螺旋形状(五条)
プジョー              高さ(22mm程度)・径(30mm程度)・螺旋形状(五条)
コーノF205     高さ(20mm)・径(40mm)・螺旋形状(11条不均等)



KONO コーノ式ミル F205の内刃 ザッセンハウスの内刃
左がザッセンハウス 右がKONO F205
KONO コーノ式ミル F205の内刃(4)
F205 上から見る


刃の材質・硬度

 不明です。ザッセンハウスとプジョーを比較する(2)でも書きましたが、磁石の付き具合から、「鉄系の材質という「印象」です。硬さについては、どの程度なのかは、よくわかりません。ただ、一般的に鋳物は柔らかいといえます。

ザッセンハウス 鉄系・硬度不明
プジョー      鉄系・硬度不明
コーノF205     鉄系(鋳物)・硬度不明

追記:昌’sCoffee(Masa'sCoffee)さまより、興味深い情報を頂戴しました。「ミルの刃が鉄製のものと鋳物に分かれたと思いますが、日本で作られていた初期のミルは、鋳物が多かったみたいです。ハリオの’made in Japan’表記のミルは鋳物を使用しています。生産を海外に移したと共に、鉄製に変わりました。」(2014/4/9)

ホッパーの形状

 プジョーのように、ホッパーの勾配は緩く、段差があり、一度に引き込む豆の量は少ないです。


KONO コーノ式ミル F205のホッパー
KONO F205 ホッパー全体の勾配が緩く、外刃の間に段差がある
プジョーのホッパー
プジョー ホッパーの下半分の勾配が緩く、外刃の間に段差がある


 軽快な挽き心地を実現する要素として、刃は形状さえ「適切」であれば、「鋭さ・硬さは関係ない」と結論付けてもおかしくないよう結果が出ました(何が適切な形状なのかはわかりませんが)。どうやら、軽く挽くためには、刃の鋭さではなく、ホッパーの形状が大きく関係しているように思われます。

 次回は、他に要素がないか、ザッセンハウスとプジョーを比較する(4)で書いたように、他の項目を比較していきたいと思います。

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