今まで外刃の形状にはあまり触れてきませんでした。というのも、ザッセンハウス・プジョー・F205は程度の差はあるにしても、基本的には同じ形状で、F205でも違うのは、鋭さは別にして、高さと、上の口のすぼまり方と思われたからです。
ザッセンハウスの外刃 鋭い |
プジョーの外刃 鋭い |
F205の刃(「鋳物」のため鋭さがない) |
しかし、F303では「鋭さ」がまったく問題にされていません。加工方法も、型を外側から押し出しているだけです。
F303の刃 鋭さが最初から考慮されていない |
外側から押し出して筋をつけているだけ |
F303の刃(下から内側を見たところ) |
ザッセンハウス・プジョー・F205では、曲がりなりにも、外刃側でも豆を砕こうとしている姿勢が見られましたが、F303にはまったくそういった姿勢が見られません。「単に押し出された形状の筋」があり、内刃が砕く際に「豆が共回りしなければ良い」という思想で作られているように思えます。
しかし、その結果、「引っかからないものは弾く」に加え、「引っかからないものは無理に噛み合わせない」ことになりました。
このことは、挽くのに時間がかかることからもわかります。粒度によって挽く時間は変わるので厳密な比較はできませんが、ほぼ同じ大きさの粒度に挽いた時、 ザッセンハウス・プジョー・F205の1.5倍はかかる印象です(80回の回転のところが、150回くらい)。
F303では、一度にたくさんの豆を砕かないこと、噛み合わない部分の豆を弾くことだけでなく、そもそも噛み合わせないことで、さらに挽き心地を軽くしていると言えるでしょう。
ホッパー上部を汚さないことについては、F205では
- 外刃上部の入り口をすぼめること
- 内刃の上部を小さくすること
- 内刃を外刃に対して下に配置すること
- 刃の大きさを大きくして、 相対的に内刃の上部を小さくすること
- 外刃の鋭さをなくして、豆を滑らせること
刃の鋭さについては、内刃だけでなく、外刃も関係ないことが分かってきました。大きさについては、隙間を大きくすると、破片が飛び散りにくくなることはわかりましたが、「適切な形状」が何であるかは、まだ分かりません。
次回は、ザッセンハウスとプジョーを比較する(4)、KONO式(コーノ式)ミル F205(共通刃 F201・F205)を研究する(2)で書いたように、直接挽き心地に関係ないと思われる要素を書きたいと思います。
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